第3回 続々 キッカケ。
ミラノは雪も降り随分と冷え込んできましたが
仕事がポツポツと動き始めたので
心は反面、ポカポカしてきた、龍です。
引き続き昔話を続けていきますが、
ダラダラ長くなってしまい、すみません。
しかしながら
初対面で聞かれる質問の大半が
何故モデルになったのか。
という質問なので
もう少しお付き合いいただければと思います。
以下 続
ヘアショーというのは
実際にステージの上で制限時間内に美容師さんがモデルの髪を切ってセットし
最終的にランウェイをモデルが歩き
その総合得点から順位を決めるようなものだった様な気がする。
モデルは勿論、ファッションまで得点に加味されるとの事。
当初そんな事は知らずに酔った勢いで
受けてしまった僕はとにかくどうやってランウェイを歩くのか、その事に悩まされる日々が始まったのだ。
ランウェイで減点されたら完全に自分の責任だ…
とにかくその日からランウェイの動画を観まくり、美容師の子と下北の路上で毎晩歩く練習をしたのが今となってはいい思い出。
当時はこんな感じでした笑
まぁ結果は残念ながら3位だったのだけれど
帰り際ら審査結果の詳細を知った美容師さんから
「プロのモデルを使ったと審査員に勘違いされたよ、龍モデル本気でやってみなよ。絶対センスあるから。」
今思えば、審査員や彼女のお世辞だったのかも知れないが、何故か凄く嬉しく感じた事を覚えている。
実際ランウェイはライブに感覚が近かった。
大きく違う点は歌わない、喋らないで自分を表現すること、それも一瞬で。
それでもその一瞬にゲストの注目を集めるのは自分を興奮させるのには十分な時間だった。
彼女のこの一言が僕をこの道に引き入れ、今僕はミラノにいる。
こうして文章にするとなんでそんな簡単に? と自分でも思う。
あんなに好きだった音楽をたった一言で諦めたのも今となっては謎である。
けれど
彼女が、いなければ間違いなくモデルの道に進んでいないだろう。
その後、僕は一度も歌を歌うことはなかった。
自分からは音楽を聴くことも辞めた。一度でも歌ったり聴いたりして楽しんだらまた戻りたくなってしまうのではないか。
そんな恐怖からだろう。
しかし、昨年アルマーニのショーを歩いた後から、自然と音楽と向き合う気になり、今ではたまにカラオケやギターをいじったりしている。
自分の中で何か一区切りついたのかなって今では思う。
時々、音楽をやらずにもっと早くからモデルやっていればと思うこともある。
けれどあの時あれだけ一生懸命やったことは間違いなく今の自分に活きているのだ。
こうしてモデルへの道を歩き始めるわけだが、
事務所探し等の話はまた次回。
では。